AWSパートナーとして個人及び企業が活躍するには

こんにちは。二ヶ月半ほどカナダとアメリカに行ってきて、re:Invent後に帰国した西山です。

 

本ブログは、Japan AWS Ambassador Advent Calendar 2022の8日目の記事となります。APN Ambassador って何?と言う方は、APN Ambassadorsってなんだ?2021年度版をご参照ください。

 

AmbassadorもTop EngineerもAWSのパートナープログラムの一部になります。そのうちの多くのエンジニアの方は大手グループやCIerに属されていますが、社員30名ほどのギークフィードやその他中小企業で活躍されているエンジニアにも選出されるチャンスのある素晴らしいプログラムです。

自分自身と会社のAWSジャーニーを振り返りながら、個人や中小企業がAWSを通じて活躍するにはどうすればよいかを考えてみました。社内のメンバーだけでなく、これからAWSビジネスを始めようという企業やエンジニアの一助になれば幸いです。

 

内容は個人的な主張のポエム記事です。(予防線)

 

私とギークフィードのAWSジャーニー

 

主要な部分だけを見るとAmazon Connectしかやっていないようですが、AWSへの移行やAWS上でのサービス開発にも関わっています。資格についてはパートナーティアやTop Engineerの要件として必要になったときのみ取得をしてきました。

 

2016年 高卒で4年ほどふらふらした後(ポーカーとか)、未経験でギークフィードにエンジニア見習いとしてアルバイト入社。
2018年 ギークフィードがAWSパートナーになり、アライアンスリードに任命される。

Amazon Connect推進企業に認定。

(ここまでAWS触ったことほぼなし)

年末にAmazon ConnectやDynamoDB、Lambdaに初めて触ってみてブログを書いてみる

2019年5月 社内で誰も資格を持っていなく、アソシエイト資格を取らないとパートナー要件を維持できないのでSAA取得。
2019年7月 自社サービスYouWireとAmazon Connectのインテグレーション開発を休みの日に思いついてやる。
2020年始 本格的にAmazon Connect案件を始める。
2020年5月 カスタマーサクセス部(現クラウドサービス部)立ち上げ。
2020年12月 Amazon Connect SDP取得。
2021年2月 SAPおよびAXS(Alexa Skill Builder)取得。
2021年5月 AWS Top Engineer認定。
2022年3月 ギークフィードがAPNアドバンスドティアパートナーに昇格。
2022年3月 DOP取得。
2022年5月 AWS Ambassador認定。

 

AWSビジネスの変遷

 

AWSビジネス開始前のギークフィード

ギークフィードはもともとコンタクトセンター、電話通信に関わるシステム開発をメイン事業として行ってきました。ですので、「システム開発」と「電話」に強みを持つ会社でした。

また2014年に顧客サービスのAWS移行を行ってから、年に1件あるかないかのAWSへの移行案件を行っていました。

なので、社内のプロジェクトに関わる人間のみノウハウがあり、かつ案件に関わる部分のみの知識に限定されていました。(私は参加していなかったので全くわからず)

 

AWSパートナーになる

2018年にパートナーになり、最初はテクノロジーパートナー(現ソフトウェアパス)としての開始でした。それはギークフィードがシステム開発に重きをおいているため、AWS上でのシステム開発や自社サービスのYouWireをAWS上で展開するという想定があったためです。

ただ、この時点では社内で具体的なAWSビジネスへのアクションというものはなく、何もわからないままアライアンスリードになった私がオポチュニティ登録のやり方のセミナーなどに参加していました。

AWSへは「システム開発」と「電話」が得意領域であることはこの時点からアピールしていました。

 

Amazon Connectの東京リージョンローンチ

やはり転換点となったのは、2018年12月にAmazon Connectが東京リージョンでローンチしたタイミングです。音声通信業界は狭く、参入障壁も高いと一般的に言われており、サービスがローンチ決定した時点からこれは大きなチャンスであると考えていました。

また、個人的には電話というレガシーな技術だけでなく、クラウドの新しい技術領域に触れてみたかったため、なんとか仕事に結び付けられないか考えていたというのもあります。

もともと電話が得意であるということをAWSやCIerにアピールしていたため、案件相談をもらうことができました。ローンチから本格的な案件開始まで1年のラグがあるのは、ネット上の情報がある程度増えて興味を持つ企業が増えてくるまで時間がかかったからではないかと思います。

 

AWSビジネス事業の立ち上げ

Amazon Connect案件はエンジニアが私一人の状態から始まりました。2020年初めから多くの案件相談をもらい、これはやれるところまでやってみようと思い、事業を立ち上げました。最初は一人ですべてをこなそうと思っていましたが、案件の多さに割とすぐに増員が必要になりました笑。

社内スタートアップ的な感じのスモールスタートでした。

ビジネス開始直後から、複数案件をこなしつつAmazon Connectブログ「Build AmazonConnect」の立ち上げやAmazon Connectをより便利に使うカスタムブラウザフォンサービス「Sylphina」の企画・設計も並行して行っていました。

Amazon Connect自体が新しいサービスであり、メディア立ち上げや連携開発はいかに早く市場に出すかが重要な要素であったため、こちらもスモールスタートで開始しました。

またビジネスが加速するにつれてAWSパートナープログラムを紹介いただく機会が増えたので、そちらも可能な限り参加しています。自社で頑張ってマーケティングを行うよりも、各種認定プログラムやインタビュー、セミナー登壇などを行うほうがより効果的です。AWSにもパートナーサクセスチームがあり、かつ担当者がいらっしゃるため、困ったことがあれば何でもすぐに相談するようにして密に連携しています。

 

企業に求められること

 

特化すること

ITという言葉が広義であるように、クラウド、AWSという言葉も広義です。すべてをカバーすることは不可能ですし、大手企業やCIerのように分野ごとのスペシャリストを採用、育成していくことも難しいです。

ランチェスター戦略で言われるように、特定の領域で一点集中の専門性を持つことで小規模でも大規模に対抗しうる戦闘力を持つことができます。

AWSは毎年のように新サービスをリリースしており、専門性の高いサービスも多いです。一般的にはマイナーと言われるサービスでも、スペシャリストになることで多くのビジネスチャンスが生まれます。新サービスでなくても、マーケットやターゲット、ユースケースを特定することで尖った事業を行うことはできるのではないかと思います。

また次のエンジニアの章でも触れますが、企業としても「1点強みを持ち、それ以外も平均以上をカバーできるT型企業を目指すことは重要です。

 

以下は以前セミナーで仕様した資料からの抜粋です。

 

 

エコシステム、パートナープログラムへの積極的参加

AWSがパートナーに求めていることを理解し、パートナーサクセスのエコシステムに乗っかることが重要だと思います。

パートナーティア、SDP、セミナーなどの各種プログラムは少人数でできる上にメリットが大きいものが多いので積極的に参加しましょう。

 

判断に時間をかけず、スモールスタートでまずはやってみる

当たり前の話ですが小規模の強みは小回りがきくことにあるので、判断に時間をかけるのではなく、まずはやってみて、その後経過を見たり変化に合わせて続けるのかやめるのかの判断をするというサイクルを回すと効率よく色々チャレンジできるのではないかと思います。

 

AWSを利用するときと一緒

この記事を書いていて思いましたが、特化すること以外はAWSを利用するときと似ているなと思いました。

・エコシステムに乗っかる

・スモールスタート

・柔軟に対応する

 

エンジニアに求められること

 

ベース知識

私は実務重視で他のAmbassadorの方やTop Engineerの方と比較して資格を積極的に取得しておりませんでしたが、AWS Certified Solutions Architect – Professional(以下SAP)の資格というのはベース知識として必要だと考えています。

SAPはAWS認定資格の中で最も難しい試験だと思いますが、AWSのベストプラクティスやデザインパターンを広く学ぶことができます。知識や発想の引き出しが広がるというのはありますが、エンジニア同士で会話をした際や実案件の中でベース知識として必要とされるものが多いため、本気でAWSをやるのであればSAP取得をおすすめしたいです。

以前Ambassadorミーティングの中で認定資格について話題になったことがありますが、「資格を持っていたら特別すごいというわけではないが、ブラックジャックはいない」、「SAPメンバーがプロジェクトにいる/いないで案件がスムーズに進むかどうかが大きく違う」という話を他の方から聞きましたし、私も同意見です。

 

期待の新人に実務を全くやる前に資格を取得してもらったりしました。
エンジニア完全未経験からAWS認定SAA・SAPを3週間で合格するまで

 

プラスアルファのなにか

ギークフィードでは「多次元T型企業」を成長方針にキーワードとしています。

T型というのは「1点強みを持ち、それ以外も平均以上をカバーできること」を指します。

私の場合でいうと、AWSの全体基礎知識を持ち、ある程度のOS、ネットワーク、DB知識とプログラムスキルとフレームワークでアプリを開発できるという広く浅くのスキルに加えて、Amazon Connectとその周辺サービスや連携開発についてスペシャリストであるという強みを1点持っています。

一般的に「フルスタックエンジニア」を目指そうとよく言われますが、フルスタックというのはあくまで技術的な要素に限った話です。一方で「多次元T型企業」の「多次元」というのは、技術的な領域だけでなく、業種や業界に関する知識という次元や、顧客の業務やビジネスの理解という次元、自社のビジネスについての理解という次元があります。実際の案件やビジネス課題においては、技術要素だけで判断するものではなく多次元的に判断を行うため、多次元かつT型を目指そうというものになります。

多次元については個人でなるのは難しいと思うので、T型の「なにか得意領域を持つ」というところが求められるところだと思います。

 

コミュニケーション能力

顧客と直接やり取りできるエンジニアは、間に伝達役がいるケースよりも、より早く正確に顧客の求めるものを提供することができます。提案するソリューションや自分の考えを相手に伝える能力というのは非常に重要なスキルですし、活躍して責任範囲が大きくなるほど必須になってくると思います。

よく言われることですが、「歌って踊れるエンジニア」というのが理想形だと思います。

鍛えるためには話す練習をして慣れるというのもありますが、ブログでのアウトプットというのも効果的です。

 

個人的に大事にしている3点

私が仕事をする上で大事にしている3点を紹介します。

AWSビジネスを推進するにあたって、技術力を可能な限り高めることや、いかに良いサービスをリリースすることよりも、この3点に注力してきました。そのおかげで今も継続してビジネスができているのではないかと思います。

 

  • 即レス
  • 仕事にコミットする
  • お客さんの期待値を超える

 

おわりとお知らせ

 

ポエムにお付き合いいただきありがとうございました。

このブログは自分の活動を見返すアウトプット的な要素もありますが、今後より多くの企業とAWSビジネスを協力しながらやっていきたいという思いで書いています。案件の需要、社会のIT需要に対してプレイヤーが少ないと感じており、少しでも多くのパートナー企業と協業してビジネスを行えればと思います。

 

ギークフィードでは下記のサービスを直近で始めたため、興味がある方はご連絡ください。

AWSパートナーサクセス支援では、これからAWSビジネスを始めようという企業やセレクトティアパートナーを対象に、今後のAWSビジネスの推進を支援するサービスです。

内製化支援サービスでは、社員の資格取得支援や、主要メンバーの育成(武者修行)を提供しています。君島塾長の元でスパルタ教育を行うんじゃないでしょうか。

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