はじめに
こんにちは!株式会社ギークフィードのエンジニアのダマルです。
この記事は、Amazon Connect Advent Calendar 2024の13日目の記事となります。
私は去年の2023年re:Inventに参加し、「BIZ223-NEW Expand your customer engagement with new Amazon Connect Channels」のセッションに参加しました。今年もAmazon Connectに関する多くの発表やセッションが行われ、特にNatWestグループの事例が取り上げられた「FSI316 – NatWest: Personalizing customer experience with Amazon Connect & AI/ML」に注目しました。直接参加はできませんでしたが、オンデマンドで観て、興味がある内容(AI/ML)だったので、この記事でそのワークショップ内容、特にNatural Language Call Steeringについてを書きたいと思います。
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NLCSを活用したIntent管理の仕組みと効果
NLCSの仕組みとその効果は非常に興味があります。以下では、その具体的な動作の仕組みと得られるメリットについて整理してみました。
NLCSの仕組み
NLCS(Natural Language Call Steering)は、Amazon Lexを活用して顧客の発言をリアルタイムで解析し、意図(Intent)を特定する技術です。NatWestでは、年間2,500万件の通話を効率的に処理するため、以下のような仕組みを採用しています:
- 顧客発言のリアルタイム解析「口座残高を確認したい」「カードを紛失した」など、顧客の発言内容を自然言語処理(NLP)を使って解析します。
- Intentの階層化親ボットと子ボットを連携させる「Lexチェーン」により、1,700以上の顧客意図(Intent)を管理しています。親ボットが35の大カテゴリIntentを特定し、その後子ボットが詳細なIntentをさらに精査することで案内を実現しています。
- スムーズなカスタマージャーニー特定されたIntentに、顧客は適切な自動のコールフローやエージェントに転送に案内されます。例えば、支払いに関する問い合わせでは、残高確認、支払先の登録、送金までをスムーズに連携します。
NLCSの効果
NLCSを活用により、NatWestは顧客体験と業務効率を向上させました。主な効果は以下の通りです:
- 顧客満足度の向上顧客の意図(Intent)を正確に理解し、待ち時間が減っています。コールフローかOP転送がスムーズな案内で、より良い体験を提供しています。
- 効率化とコスト削減通話時間の短縮とセルフサービスの活用でエージェントの負担を軽減。Amazon Connectの従量課金モデルにより、柔軟でコスト効率の良い運用を実現しました。
- 大規模運用への対応1,700以上の意図(Intent)を管理し、年間2,500万件の通話を高精度で処理。多様な顧客の目的にも対応可能なスケーラブルなシステムを構築しています。
目標と課題
NatWestは、NLCSやAIのさらなる活用を目指し、次のような目標と課題に取り組んでいます。
目標
- Amazon Q and Connectの活用リアルタイムでエージェントに最適なアクションを提案し、より早いで的確な対応を実現します。
- 通話サマリーの自動化通話内容をAIで要約し、エージェントの作業時間を減る。より効率的な業務運営を目指しています。
- エージェント評価の効率化通話データを分析して、エージェントのパフォーマンスを評価。的確なトレーニングで業務の質を向上させます。
課題
- ナレッジベースの最適化AIが正確な回答を生成するため、ナレッジ記事の再構築が必要。言葉の曖昧さを排除し、分かりやすい表現を増やす取り組みが進行中です。
- AIのトレーニングデータ顧客発言やIntentの精度向上には、より多くのトレーニングデータが必要。実運用から得たデータを活用しています。
まとめ
NatWestの事例は、Amazon Connectを活用したラージスケールのコンタクトセンター運営の成功例です。特にNLCSを中心としたIntent管理は、顧客体験と効率性を大幅に向上させました。今後もAIやMLを活用した取り組みがどのように進化するか注目したいです。個人的にもAmazon LexでNLCSを活用しているAmazon Connectもやってみたいです!!
セッションのオンデマンド動画
https://youtu.be/zbrLI6ktTcg?feature=shared
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