こんにちは、エンジニアの君島です。
本記事は、Amazon Connect アドベントカレンダー 2023の15日目の記事です。
ギークフィード、クラスメソッドさん、スカイアーチHRソリューションズさんの有志によるアドベントカレンダーとなっております。
AWS Workshops、利用していますか?
色々なサービスのワークショップが用意されていて、手を動かしながらの学習には最適な教材となります。また、英語が得意でない方向けには、日本語向けのワークショップも用意されています。
なお、Amazon Connectのバージ機能は、昨年発表されましたものになり、すでに記事もあります。
今回、英語版のワークショップにこの機能のものがあったので、試してみることにしました。
はじめに
コンタクトセンター業界ではよく聞く、以下のような近しい機能があります。
オペレーターのスキルが向上することで、コンタクトセンターの生産性も向上するものです。特にアウトバウンド中心のコンタクトセンターでは、オペレーターの教育、及びトレーニングという点は重要視されているため、PBXやコンタクトセンターシステムにこういった、SV(Supervisor)がオペレーターの通話にリアルタイムに関与する機能が求められます。
ただし、コンタクトセンターや導入しているツールによって、詳細な意味やニュアンスが異なる場合もあります。実際に要件定義する場合には以下のような用語だけで判断するのなく、具体的な仕様を確認して適用するようにしましょう。
用語 | 説明 |
---|---|
ウィスパリング/ウィスパー | 顧客とオペレーター(エージェント)とのやり取りを、SVや管理者等の第三者がモニタリングをしながら、指示やアドバイスを行うことです。その際の音声は、顧客には聞こえないようになっています。 |
モニタリング | 顧客とオペレーターとのやり取りを、SVや管理者等の第三者が聞くことです。第三者が話しても顧客にもオペレーターにも聞こえません。 |
バージ/割り込み | 顧客とオペレーターとのやり取りを、SVや管理者等の第三者が割り込みます。第三者が話すと顧客にもオペレーターにも聞こえます。つまり、三者間通話になります。 |
Amazon Connectの標準機能では、このうちモニタリングとバージを有効化することができます。
それでは、ワークショップに従って設定していきましょう。
Amazon Connect Barge In Workshop
設定しよう
前提
Amazon Connectインスタンスを作成しておきます。
デフォルトでマルチパーティーコールと拡張モニタリングが有効化されています。もし、バージしたい場合はチェックを入れておきましょう。
ワークショップには丁寧に設定方法が記載されていますので、あとは順番に設定していきます。
具体的には以下のような操作をしていきます。なお、既にAmazon Connect上で設定がされているようなものがあれば、流用、及び編集して割愛してもいいと思います。
ポイントになる箇所だけコメントしておきます。
電話番号の取得
キューの作成
ルーティングプロファイルの作成
セキュリティプロファイルの作成
こちらに、バージ/モニタリングの有効化のチェックがあります。作成したプロファイルについては、チェックを有効化しておきましょう。
ユーザーの作成とプロファイルの紐づけ
オペレーター用とSV用のユーザーを作成して、それらのユーザーの役割としてセキュリティプロファイル、キューとユーザーの紐づけのためにルーティングプロファイルを紐づけます。
コールフローの作成
コンソール画面からUI操作で作成することもできますし、時短したい場合はサンプルのコールフローがjsonで用意されています。コールフロー作成の画面からjsonファイルをインポートしてみてください。
また、Contact Lensの分析機能を有効化したい場合は、コールフローにブロックを追加して書き換えてみるといいでしょう。
確認してみよう
顧客から着信してオペレーターが受電する
ユーザーは2種類用意しました。オペレーターはtanaka-op、バージをするSVはkimishimaとしました。
まずはtanaka-opを使用して受電しましょう。
SVがリアルタイムメトリクスから目のアイコンをクリックする
続いて、kimishimaにてリアルタイムメトリクスのエージェントのページを見てみましょう。
SVの役割は、複数人のオペレーターとりまとめるチーム長です。ですので、SVのアクションは、通話中になっているオペレーターの通話を聞き取るようなイメージをしてください。
通話中になっているオペレーターの音声チャネルには、目のアイコンが表示されています。これをクリックすると電話で会話を聞き取ることになります。
SVがCCPから受電する
目のアイコンをクリックするとSVのCCPに着信しますので、受電してください。
これでモニタリングができている状態になります。また、モニタリングとバージ(割り込み)が選択できるようになっていますね。
それだけでなく、SVは顧客やオペレーターを強制ミュートさせたり、切断するなどの操作を行うこともできます。
追加で確認しよう
通話を切断したらどうなるのか
こちらは過去の記事でも言及していますが、三者間通話なので残った話者にて通話が継続します。
顧客が先に通話を切ると、オペレーターとSVとの内部通話が残ることになります。
通話履歴をもう少し掘り下げる
バージしたSVについては、ベースとなるオペレーターと顧客との通話とは別に通話履歴が追加されます。
下の行が顧客とオペレーターの通話、上の行がSVがバージした通話となります。
補足すると、下の行はオペレーターの通話なので、顧客が先に切断したとしてもオペレーターとSVとの通話が結合した状態で残っていることになります。
また、上の行のSVの通話には、バージする前の顧客とオペレーターの通話は含まれていません。顧客とオペレーターの通話を全て確認したいときは、下の行のオペレーターの通話を確認するようにしてください。
また、これらの通話履歴の詳細を見てみますと、オペレーターの通話とSVとの通話は行き来できるようになっています。
モニタリングした通話については、イニシエーションメソッドが「モニタリング」となっているので、そこでも見分けることができます。
まとめと告知
Amazon Connect Barge In Workshopを実際に手を動かしてみたので、記事にしました。
なお、バージやモニタリングについて、より細かい仕様がサービスクォータの章に記載されています。現行では、バージ機能を有効化しない方がモニタリングできる人数は多かったりします。
AWS Workshopsには具体的な用途まで実現できるハンズオンが用意されています。手を動かすと共に、さらに掘り下げると理解が深まると思いますので、学習コンテンツとして活用してみてください。
まだまだ、アドベントカレンダーは続きます。明日はギークフィードの西山さんの記事になります。
また、ギークフィードのアドベントカレンダーも同時開催してますので、そちらもご覧ください。
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