クラウドPBXの導入の際、新規で0120番号を利用する、または既存の0120番号を継続利用するケースがあります。
コールセンターにおいてはよくある話ではなりますが、
お客様によっては0120番号の仕組みや出来ること、利用までの流れについてご存知でない方も多数いらっしゃいますので、簡単ではありますが整理させていただきました。
目次
0120番号の名称はキャリアによって違う
一般的に0120番号のことを「フリーダイヤル」と呼ばれますが、正確にはNTTコミュニケーションズのサービス名称になります。
- NTTコミュニケーションズの0120番号:フリーダイヤル
- KDDIの0120番号:フリーコール
- ソフトバンクの0120番号:フリーコールスーパー
- 楽天コミュニケーションズ:フリーボイス
それぞれ細かいところで言うと作業手順やオプション等異なるため、今回は0120番号はNTTコミュニケーションズのフリーダイヤルを前提として記載させていただきます。
0120番号を利用するメリット
通常電話の通話料は、電話をかけた側に発生します。
しかし0120番号に対しては、0120番号の契約名義人に対して請求が発生します。
そのため、お客様からの問い合わせを積極的に受けたい企業側からすると、お客様負担を無くし企業負担とすることで問い合わせを促すメリットがあります。もちろんお客様側も通話料を気にする必要が無いので、積極的に電話をかけることができます。
メリット①:お客様の通話料負担が無い
通常電話の通話料は、電話をかけた側に発生します。
しかし0120番号に対しては、0120番号の契約名義人に対して請求が発生します。
お客様からの問い合わせを積極的に受けたい企業側からすると、お客様負担を無くし企業負担とすることで問い合わせを促すメリットがあります。
もちろんお客様側も通話料を気にする必要が無いので、積極的に電話をかけることができます。
メリット②:設定場所、対応場所を選ばない
移転などで設置場所が変わっても0120番号は変更せず使えます。
0120番号には複数のダイヤルイン番号(0ABC-DE-FGHJ・050-XXXX-YYYY等)と紐づけられます。
そのため、地域ごとに発行されるダイヤルイン番号(東京23区だと03-****-****)に縛られることがないため、設置場所を選ばないです。
0120番号からクラウドPBXで着信するまでの流れ
クラウドPBXで電話を利用する場合、電話番号を取得する必要があります。
今回は既存の電話番号を利用する場合ではなく、新規で発番を行う場合についてお伝えしたいと思います。
以下が0120番号への着信からオペレーターに着信するまでの簡単な流れになります。
- 発信者が0120で始まるフリーダイヤル番号に発信する
- 発信が行われると、まずNTTの電話交換器に着信する
- 着信後、フリーダイヤル番号に紐づけされたダイヤルイン番号がデータベースから参照される
- ダイヤルイン番号に着信が転送される(NTT電話交換機→SIPサーバー)
- ダイヤルイン番号に着信が転送される(SIPサーバー→クラウドPBX)
- オペレーターが応答し、通話が開始する
SIP接続可能なダイヤルイン番号の準備
クラウドPBX導入にあたり、お客様から「既存の電話番号を利用できないか」、という相談を受けます。
ただ多くの場合、例えばISDN回線の電話番号であったりすることが多いです。
クラウドPBXは、SIP接続可能な電話番号、正確には転送元がSIPに変換して転送してくれる必要があります。
SIP接続については、今回は簡単に下記の記述しますが、本題ではないので詳細は割愛します。
※SIPとは、インターネットでデータの受け渡しをするルールの一つであり、IP電話を利用する際に標準となっているプロトコル(約束事)です。
※SIP接続して電話を行うとは、クラウドPBXを起動させて相手側に電話をかけようとすると、自身の電話番号とIPアドレスを含んでいる情報をSIPサーバに送信します。受け取ったSIPサーバは、ユーザーエージェント(どんな環境でアクセスしているかをまとめている情報)をデータベースに登録し、NTT電話交換機側へ転送します。
※SIPサーバーの主な役割は、「インターネットを利用して通話をする端末同士を繋げる」ことにあります。具体的には、電話番号やIPアドレス(ネット上の住所)などの記録・検索や、IP電話サービスの管理を行う役割を持っており、端末のインターネット上の情報を認識し、端末同士が直接通信を始めるまでがSIPサーバの担当です。
取扱いまでのフロー
①前提の話
前項にて、クラウドPBXを利用するにあたり、SIP接続が可能な電話番号が必要と記載しました。
方法はいくつかありますが、今回はSIPサーバーを用意しているSIPトランク事業者からダイヤルイン番号を払い出していただき、そのSIPサーバーとクラウドPBXが接続し、転送を行うことを前提とします。
②フリーダイヤル番号とダイヤルイン番号の依頼フロー
フリーダイヤル番号とダイヤルイン番号の紐づけになります。
ダイヤルイン番号は発番する時点では、どのフリーダイヤルとも紐づいていません。ダイヤルイン番号をフリーダイヤルに紐づけを行う手続きが必要となります。
また、クラウドPBXで発信したダイヤルイン番号がお客様の電話機にどんな番号で表示されるかも検討が必要です。
フリーダイヤルのオプションで「特番通知オプション」があります。この手続きを行うことで、発信したダイヤルイン番号をフリーダイヤル側で受け取った際、フリーダイヤル番号に変換してお客様の電話機に表示させてくれます。
諸々フリーダイヤルのオプションはありますが、上記2点の手続きが最低限必要かと思われます。
以下の場合により、進め方が異なります。
1)お客様にてお持ちのフリーダイヤル番号を利用する場合
- SIPトランク事業者に対して、ダイヤルイン番号とフリーダイヤルの紐づけ、オプションの依頼
- ダイヤルイン番号決定後、SIPトランク事業者、お客様のどちちかが紐づけ作業、オプションを依頼をNTTコミュニケーションズへ依頼
- クラウドPBXの構築。SIPトランク事業者へクラウドPBXの必要情報をSIPトランク事業者へ提供
- SIPトランク事業者にて、SIPサーバー構築。クラウドPBX側に必要情報を提供
- SIPサーバーとクラウドPBX、双方の接続を実施
2)弊社にてフリーダイヤル番号を提供する場合
- SIPトランク事業者に対して、フリーダイヤル番号、ダイヤルイン番号とフリーダイヤルの紐づけ、オプションの依頼
- ダイヤルイン番号決定後、SIPトランク事業者から紐づけ作業、オプション依頼をNTTコミュニケーションズへ依頼
- クラウドPBXの構築。SIPトランク事業者へクラウドPBXの必要情報をSIPトランク事業者へ提供
- SIPトランク事業者にて、SIPサーバー構築。クラウドPBX側に必要情報を提供
- SIPサーバーとクラウドPBX、双方の接続を実施
お客様名儀のフリーダイヤルをご利用する場合は、お客様にも一部手続きをお願いする必要があります。
③FDのオプション利用(代表的なオプションの一部)
発信電話番号ルーティング |
発信電話番号・端末種別ルーティング |
接続先変更スケジュール |
オリジナルガイダンス |
オリジナルガイダンス登録機能 |
オリジナルガイダンス作成機能 |
話中時・無応答時ガイダンス |
話中時待ち合わせ |
話中時迂回 |
接続先案内ガイダンス |
フリーダイヤルからクラウドPBXで着信するまでの流れ(一例)
以下はフリーダイヤルからクラウドPBXへ着信させるフロー図です。
前述したフリーダイヤルオプションをいくつか組み合わせたものになります。こんな感じでオペレーターに着信するまでに工程があります。
ケーススタディー
フリーダイヤルの特徴として、1つのフリーダイヤルイン番号に複数のダイヤルイン番号を紐づけすることができます。
例えば、以下のようなケースの場合で利用することもできます。
- 既存のビジネスフォンを利用しつつ、一部クラウドPBXを利用する場合
- 複数の外注のコールセンターに委託する場合
コロナワクチン関連のコールセンターでも使われている?
現在コロナワクチン関連のコールセンターでも多くのフリーダイヤル番号が使われています。
同様に利用されているのがナビダイヤル番号(0570-****-****)ではないでしょうか。
基本的な理屈はフリーダイヤル番号と同様です。手続きも変わらないと言っても差し支えないでしょう。
根本的に大きく違うのは、通話料は発信者側が負担するということです。
フリーダイヤル番号は番号の名義人が発信者の通話料を代わりに負担することから考えると、大きな差があります。
契約名義人にとっては負担が減りますが、発信者側はたとえ電話がつながらなかったとしても、ダイヤルイン番号に転送された時点で通話料が発生します。
補足でお伝えすると、ナビダイヤル側の同時着信数の制限(チャネル数上限チェック)を超えた場合は、ダイヤルイン番号に転送される前に切断されるため、通話料が発生することはありません。
以上、大枠を抑える程度に確認していただければと思います。
詳細はクラウドPBXやSIPトランク事業者、キャリア回線によって異なりますので、見方によっては正確ではない情報も含まれていると思いますので、ご容赦ください。
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